prayforpeace165’s diary

Pray for peace.すべての人の心に平和と愛のメッセージを。

「そのままのあなたで大丈夫」の呪い

私がどん底で悩み苦しんでいる時、

救われたのはこの言葉と言いたいところですが、実際には苦しめられた言葉でした。

 

「そのままのあなたで大丈夫」

という類の言葉たち。

 

自分を肯定できずに否定して悩み苦しんでいる自分のことを「大丈夫」なんて思えない!

と逆ギレして余計に落ち込んでいました。

 

鬱や精神病に対するアドバイスで、

「自分を愛しましょう」

「あなたはみんなから愛されています」

「安心してください」

「心の中のインナーチャイルドを癒しましょう」

「つらかった記憶を手放しましょう」

「自分に自信をつけるために行動してみましょう」

「身体と心は繋がっているので身体を整えれば心も整います、散歩をして日の光を浴びてみましょう」

 

などなど、情報過多な現代において確かに効果的な言葉たちがたくさん溢れています。

 

でもね、どん底の時、私はそれらの言葉たちを素直に受け容れられなくて、そんな自分に嫌気がさしてしまって、余計に苦しくなっていったのです…

 

「正論」は時に人を苦しめてしまいます。

「正論」を素直に受け容れて行動に移せる人は苦しみから抜け出せるでしょう。

 

でも、世の中を見てください。

こんなにたくさんの情報に溢れ、

お金、ダイエット、夫婦関係、子育て、病、自己実現、生き方など、いろんな分野における

「正論」で溢れています。

 

それらはすべて

「幸せになるため」のものだと思います。

 

しかし、あなたは幸せですか?

悩みはありませんか?

世の中の人々はみんな幸せですか?

悩みがあるならネットで調べて解決策を見つけて実行すれば幸せになれるはず、

そう思いませんか?

 

でも現実には

いじめや自殺、犯罪、詐欺、貧困、戦争…

自分や他人への攻撃、

悲しい事件が存在します。

 

「正論」ではすべての問題を解決できないのです。

心の病も、人間関係の悩みも、

「こうすれば良い」と分かっていることを実行できれば苦労しません。

 

私はここ7年ほどの間、

どん底を何度も行ったり来たりしながら

ネットや本で解決策を探し彷徨いました。

 

長い長いトンネル…

調べても知識を増やしても抜けられなかった。

 

それは、どん底すぎて自分の心が分からなくなってしまっていたから。

何を信じて実行すれば良いのか迷いや不安があり、「正論」を実行することができませんでした。

そして、そんな自分を責め続けました。

 

良かれと思ってアドバイスをもらっても

素直に受け止められず、

「あんたに何が分かるのよ」

「そんなことは分かってるよ」

「うるさい、ほっといてよ」

と思ってしまっていました。

 

そう思ってしまうこと自体が自己嫌悪で

「自分のためを思ってかけてもらっている言葉をなぜ素直に聞き入れられないんだろう」

と更に自分を責めて責めて責め続けてしまいました。

 

こうなってしまうと心が死んでしまうんですね。

自分の存在を否定し続けて生きる希望を失ってしまった人間には何の言葉も好意も届きません。

自分で自分を責め続けた結果、

周りからの励ましもアドバイスも喝を入れる強めの言葉も、何もかもが

「自分を否定して責める言葉」に聞こえてしまうんです。

自分で自分を否定して責めるあまり、

相手の言葉をすべて

「自分を否定して責める言葉」に変換してしまう。

 

ここまでどん底に落ちる前であれば自分の中でうまく消化して頑張ろうと思えたり期待に応えようとしたり反論したり、何かしら反応して折り合いをつけていけるのでしょうが、

どん底どん底に落ちると心が死んで、脳が思考停止、判断不能状態になるので、

反応すらできなくなります。

 

こうなったら周りの人ができることは何もありません。

アドバイスや心配をすること自体が

その人の今の状態を「良くない状態」と思ってしまっていることになるので、相手は更に落ち込み傷付きます。

 

そこで周りの人が出来る唯一にして最大のことは、そんな状態のその人を全肯定して見守ることだと思っています。

 

ただひたすら信じて待つこと。

いつかは良くなる。

今は休息時間だから何も出来なくて良い。

ずっと寝てても良い。

生きてさえいてくれたらそれで良い。

 

鬱状態で悩み苦しみ何も出来ずにただ毎日死にたいと泣いているような人間に対して、ご家族や周りの人たちはそんな気持ちでいられないであろうことはよく分かります。

私も家族や周り人たちには心配をかけ、アドバイスされて否定された気持ちになり攻撃してしまい、離れて行ってしまった人もいます。

心配させまいと無理に平気なフリをして笑顔を作って、後で大泣きしていたこともあります。

 

だからこそ、頻繁に会う、距離が近い、心配させてしまう家族や友人ではなく、

否定せずに安心して話せる第三者に、つらい気持ちを吐き出して寄り添ってもらうことが必要だと感じています。

 

身近な人では無理、ということではなく、

人間心理として身近な大切な人が悩み苦しんでいる姿を見るのはつらく、「何とかしてあげたい」と思ってしまうものなので、

そんな姿を全肯定で見守り、待つということはどうしても難しいと思います。

 

私自身、子供に対しては全肯定したくても出来ない時が多く、時間がなかったり期待するあまりにイライラして怒ってしまったり、待てなくなります。

身近な人たちの言動を、

「こうしたら良いのに」と思わずにいられないことも多々あります。

思うだけなら口に出してしまうよりは良いのですが、自分の中でそんな気持ちを抱いてしまったと罪悪感を持ったりイライラしてしまうとストレスになってしまうので、出来れば軽やかにスルーしたいところです…

 

よく言われることですが、

「分かっている」と「出来る」は違います。

 

教師時代に親子関係や子育て、教育について色々感じ考え、理想や正論には辿り着きましたが、だからと言って実際自分が子育てしてみて実行できるかはまったくの別問題。

 

理想の子育てができず、望ましくない行動や親にされて嫌だったことをしてしまう自分にショックを受け、落ち込みました。

 

なぜ理想通りに出来ないのか、

それは周りや情報のせいにしても根本解決できず、自分を知ることから始めることで進むことが出来ます。

でも、自分の心に真正面から向き合うのはとてもパワーの要ることなので、ひとりではつらいし、無意識にすぐ元の自分に戻ってしまいます。

そんな時、安心して相談したり支え合える仲間が必要だと思います。

 

今苦しんでいる人はまず、今の自分を否定せず、ひとりでは難しいんだ、焦らなくて良いんだ、そのうち良くなるんだ、と自分に言い聞かせて欲しいです。

なかなか難しいし、私もできませんでしたが、徐々にそれらの言葉を受け容れられるようになってきました。

そのためにも無理せず今の自分をありのまま認めてあげること。

そして、周りにいて見守ることが難しい人は相手のことも自分のこともただありのままを見守って、苦しみが去ることをただ待って欲しいです。

 

いつか必ず抜け出せます。

自分のことも相手のことも無条件で信じて欲しい。

悩み苦しむ、酷いことも多い世の中だけれど、すべての人に生まれてきた意味があるから。

今あなたが存在していること自体があなたを肯定している、そう信じて充電できるまで休みましょう。

大丈夫、焦らなくても良い。

その時は必ず来ます。

 

Pray for peace.

世界に平和を、すべての人に愛を。

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